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職場のトイレの構造
これは以前フロント業務をしていた時の体験談ですので、ここに出てくるトイレは
「陽子ちゃんが下痢をしたり」
「斉藤さんがゆで卵のニオイのうんちをしたり」
「久美子ちゃんが激臭便をしたり」
「千明ちゃんがおならのニオイを消そうとした」
トイレという事になります。
この職場は女性がたくさん働いていた割に女性専用の従業員トイレがひとつしかなかったので、トイレの真ん前で仕事をする機会が多かった僕はそんな女性たちの音や臭いをたくさん体験する事ができました。
念の為にこのトイレの状況を整理しておきます。
この職場の従業員用トイレは資材などが置かれるバックヤードに男女別で設置されていました。
正確にいうとこのトイレ以外にも数箇所従業員用トイレは存在していたのですが、その全てがひとつの便器を男女共同で使用するタイプだったので普段から女性の利用率が低く、特に「大」のときなどはわざわざ遠いフロアからバックヤードの女性専用トイレを使用しに女性従業員が遠征してくるような状態でした。
隣り合わせに入口が並ぶその従業員用トイレは男女とも内部の構造は左右対称にほぼ同じ造りでした。
押して開けるタイプのドアをひらくと中はタタミ2畳分のスペースで、手前1畳分には手洗いスペースとして壁に向けた洗面台が設えてあり、奥1畳分には横向きに和式便器が設えてある。 手洗いスペースと便器との間に鍵のかかる簡単なパーテーションがありましたが、パーテーション自体が申し訳程度の物だったので上部には天井との間に50センチ以上、下部には床との間に10センチ以上の隙間が存在しており、 洗面所と個室が別な造りというよりはその全ての空間でひとつのトイレという造りでした。
ただ一つ男女間で違いがあったのは便器の高さで、男性用トイレは便器が古いコンビニのトイレや列車のトイレのように、和式便器が一段高い位置に設置されていて大小便に対応していましたが、 女性にその必要は無いため女性用の便器は手洗いスペースと同じ高さの床に直接埋められて設置されていました。
そのうえバックヤードからトイレに入るドアにも床との間に5センチ以上の隙間があったので、女性用トイレの真ん前で作業をしている僕とトイレでしゃがんでいる女性とは大きく開いた隙間を通じて近距離の同じ空間に存在していた訳です。
見えないだけで手の届きそうな距離の同じ空間に女性はしゃがんでいる・・・ 男性は一段高くしゃがむ構造になっているが、女性は床にそのまましゃがむのでお尻と床の隙間との距離も近い。
いや、もっと露骨に書くと、ドアの前にいる僕の耳と便器にしゃがんでいる女性の肛門は同じ空間のほんの2メートル弱しか離れていない。
バックヤードが静かな時はトイレの中の音が手に取るように筒抜けだったのです。
でも実際には資材搬入の音や従業員同士の会話でガヤガヤしている事も多く、そもそも中の女性に音消しの水流しをされてしまっては元も子もありませんので、音が聞こえるかどうかのその全ては「運」と「タイミング」次第でした。
体調が悪い栄子さん
その日は大量の商品や資材が搬入された日だったので、僕は一日中フロント業務を離れバックヤードでそれらのチェックと整理を行っていました。
普段からバックヤードで作業を行う時は男女隣り合わせで並ぶ従業員用トイレの女子トイレの前に立っている事が多かったのですが、それは別に僕がマニアだからという訳ではなく、丁度その位置に立つとフロントで何かがあった時にすぐ駆けつける事ができたり、事務所の電話が鳴った時に事務員が不在でも代りに対応する事ができるからでした。
僕以外の人が同じ仕事をする時も、やはり同じく女子トイレの前にダンボールを積んでその上に伝票やら台帳やらを並べて作業を行うのが日常の風景となっていたので、僕が女子トイレの前にいる風景もほかの従業員にとっては特に珍しくもない日常的なものだったわけです。
なので、その業務を行ってる最中は誰に何も怪しまれることなく大手を振って女子トイレの前に張り付く事ができるので僕はこの作業を担当するのが大好きでした。
これはマニアだからです。
でも、トイレにやって来る全ての女性従業員が同僚の奈々ちゃんのように「はるちゃんも一緒に入る?w」などと軽口を叩いてくれる訳もなく、中には僕の顔を見て露骨に気まずい表情を浮かべる人などもいたので、仕事に余裕のあるときは誰かが女子トイレに来るたびに出来るだけバックヤードの奥の方に席を外す事にしていました。
ただ忙しい時にはそんな事も言ってられず誰かが女子トイレに入ってから出てくるまでの間もトイレのドアの前にずっと張り付いていなければならない事があるのです。
そんな時もみんなが奈々ちゃんのように「いま音聞いたでしょ!www」と軽口を叩いてくれれば僕も少しは気が楽なのですが、日頃接点があまりない部署の人だと出てきた時に「そこにずっといたの?」的なムッとした表情を浮かべる事もあり、心の折れやすい気質の僕はその都度しょんぼりとした気持ちになっていました。
その日、ぼくがバックヤードの奥にある厨房の出入り口の影で商品チェックをしていると、厨房の方から女性の話し声が聞こえてきました。
「~~~調子が悪い・・・」
こちらに歩きながら誰かに話しているようだったので会話の最後の部分しか聞き取れなかったが、声の主が栄子さんである事は直ぐにわかった。
栄子さんは厨房で働いている四十代半ばのパート主婦で、年相応のくたびれ加減ではあったものの若い頃は可愛かったであろう面影が十分に残っていて僕は普段から好印象を持っていました。部署が違うのに僕に優しくしてくれるのも余計にそう思わせてたのかもしれません。
出入り口の扉が開くと中から栄子さんが出てきた。僕の位置からは栄子さんの後ろ姿しか見えない。栄子さんも僕の存在には気付いていない様子だった。
栄子さんがそのままトイレの中へと入っていく。
僕は優しい栄子さんの体調が心配になりつつも変態の虫がおさまらず、足音に気を付けながら女性用トイレの前に陣取った。
栄子さんの音
グンッ、ザザァ~~~~
ちょうど音消しの水音が聞こえてくる。
女性用のドアの前に栄子さん愛用のキティちゃんのサンダルが揃えて脱いである。うちの職場は廊下でサンダルを脱いでからトイレ内のスリッパと履き替える決まりになっていたので、誰かがトイレに入っているのは離れた場所からでもひと目で分かるようになっていた。サンダルも各自好きなのを用意していたので、サンダルの持ち主さえ覚えていれば誰がトイレに入っているのかも分かってしまう。ピンク色の可愛いサンダルは本来もっと若い人用なのかもしれないが、柔和な笑顔を絶やさない栄子さんにはよく似合っているような気がした。
それにしても「調子が悪い」ってどうしちゃったんだろう?
そう心配になりつつも耳は床とドアとの5センチの隙間に集中する。
音消しの水音が消えた・・・
「 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ 」
遠くの方でレジ会計している音や厨房の音が微かに聞こえてくるがこの辺りはしんと静まりかえっている。トイレの中も静かだ。ペーパーを手繰る音も聞こえてこない。かと言ってもう一度音消しの水洗を行うでもない・・・どうした栄子さん?
「 ・・・・・・ ・・・・・・ ジャッ!・・・ジャ~~~ッ・・・ジャッ!」
突然、液体のようなものが和式便器の底に薄く溜まっている水に激しくぶつかっているような音が聞こえてきた。
一瞬おしっこ?とも思ったが聞こえてきた音は便器前部の水溜り部分に液体が当たる所謂ジョボジョボ音ではない。断続的に勢いのある音からみて尿ではないだろう。
嘔吐・・・? しかし隙間からは栄子さんのえずく声は聞こえてこないし液体が口から噴出する音というよりはもっと狭いところから勢いよく液体が出てくるような音だ。
ということは・・・水様便? そう思った刹那「ブジュ~ッ!!!」という水っぽいおなら。
(栄子さんおならしたぁ・・・)
ドアと床との5センチの隙間の奥で栄子さんがお尻を出してしゃがんでいる。僕のほんの1メートルちょっと先で肛門をさらけ出している栄子さんがおならをした。ドア下の隙間は5センチもある。中のパーテーションの隙間は10センチ以上ある。 僕の耳と栄子さんの肛門は近距離の同じ空間にある・・・ そんな状況で栄子さんが水っぽいおならをしたんだ・・・
「ジャッ!・・・・」
またこの音だ。どうやらこれは水様便で間違いないだろう。栄子さんは下痢をしている。
もう1~2回この音が聞こえた後「カラカラカラ~~~ッ」 というペーパーを手繰る音が聞こえてきた。
こんなに隙間が開いているのに栄子さんの放屁排便中に外までそのニオイが漏れてくる事はなかった。トイレ内の天井にポンコツとはいえ換気扇が付いていたので緩やかな気流がバックヤードからトイレ内へと流れているんだろう。
しかし、久美子ちゃんの時のようにトイレのドアを開けた瞬間に中のニオイが外まで漏れてくる事は過去にもあったので、トイレの前で栄子さんを出迎えられさえすれば栄子さんのおならや下痢のニオイを嗅ぐことが出来るかもしれない。
正直、ドアの前で作業をしながら栄子さんを出迎える事に何の問題もない。僕はバックヤードで作業中の身だ。僕に出迎えられた栄子さんだって、きっと音を聞かれたことは後悔するかもしれないが僕の立場も理解してくれるだろう。
でも僕はあまりに無防備におならや排便音を響かせてしまった栄子さんの事がなぜか気の毒になってしまい、 栄子さんが出てくる前に厨房の入り口の横に積んである段ボール箱の後ろに隠れてしまった。
(後から残り香を嗅ぎにいけばいいや・・・、っていうか「調子が悪い」はお腹の調子が悪いって言ってたんだな・・・)
水洗音のあとしばらくして栄子さんがトイレから出てくる。段ボール箱の隙間から表情を窺うと確かに顔色が悪く思えた。まぁ、あんなに下痢をしてるんだから仕方がないが・・・
このタイミングで誰かが厨房から出てきた。
「厨房の老婆」溝口さんである。
「えっちゃんおっめぇはらあんべわりぃってが?ひゃひゃひゃ」
「あっ、いや、そうじゃなくって、なんか気持ち悪い・・・」
栄子さんがすっかり面食らって返答に困った末にゲロアピールをした。溝口さんはどこの出身なのかわからないが普段から浜言葉を使う人だったので栄子さんが面食らったのは言葉ではなくその内容だったようだ。
溝口さんはそんな栄子さんの羞恥などお構いなしに「ひゃひゃひゃ」と上機嫌にトイレの中に入っていった。
ちなみに溝口さんが言った内容は
「えっちゃん。貴女お腹の調子がよろしくないんですって?おほほ」
といった意味である。
溝口さんがトイレに入ってしまった事で僕の残り香テイスティングのチャンスは消えてしまった。 溝口さんは女性従業員の間でよく起こる残り香問題の主犯格であったが、本人が何があっても我が道を行くタイプの婆であったため悪い意味で別格扱いされている人物だった。それ以外ではいい人なんだけど育ちなのか年代なのか残り香を悪いと思っていないふしがあった。
しかし溝口さんがトイレに入ってしまった事によって、栄子さんにはフロントの陽子ちゃんがよく言っている「次に入った人間が口外しない限り、残り香は次に入った人間の責任となる」という理屈が当てはまる事になった。残り香を悪いと思ってない溝口さんが栄子さんの残り香を糾弾するとは考えにくいので、この時点で残り香の責任が溝口さんに移行するという陽子ちゃんの恐ろしい論理が成立してしまったのだ。
(栄子さんの水っぽいおならのニオイ嗅ぎたかったなぁ・・・)
仕方がないので僕は仕事に戻ることにして女子トイレの前に再び陣取る。ほどなくして溝口さんがトイレから出てきた。僕が「お疲れ様です!」と声をかけると溝口さんはしわくちゃの笑顔で頷くと厨房へと戻っていった。間違いなくこの女子トイレの中は栄子さんの残り香が充満していたはずなのに溝口さんは全く気にしていない様子だった。事実、溝口さんが出てきた瞬間に気流に乗って便臭のようなものが漂ってきていた。しかしこの便臭は栄子さんオンリーの便臭なのか溝口さんとのブレンドなのかが分からないので興奮ができない。
ただこのニオイが充満しているトイレを気にする事なく笑顔でいられる溝口さんはやっぱりいい人なのかもしれない・・・鼻が悪いだけかもしれないが。
(それにしても栄子さんのゲロアピール・・・老婆相手でも恥ずかしかったのかな? 溝口さんが次に入った瞬間残り香でバレバレなのに・・・)
最悪のタイミングで溝口さんが現れた事にガッカリしながらも僕はバックヤードの整理を続けた。
もう一度栄子さんのおならが聞きたい
(それにしても凄い下痢だったな・・・)
仕事中も僕の頭の中では栄子さんの水っぽいおならと水様便が激しく和式便器の底に叩きつけられる音がリフレインされる。 この段階で僕は家に帰ってから手淫をおこなう事を決めていた。 マイコレクションのトイレ盗撮ビデオの中から下痢や大きなおならが収録されている作品を脳内検索すると俄然テンションが上がってくる。あと3時間仕事を頑張れば久しぶりに内容の濃い「良い手淫」が出来ると思うだけで不思議と仕事の能率が上がってくるのが少し情けなかった。 さぁ、家に帰ったら栄子さんの音とビデオの下痢場面をシンクロさせて思いっきり手淫をするぞ!
しかしそうウキウキしながらも僕には引っ掛かってる事があった。
(これで本当に終わりなのか・・・?)
人それぞれなのかもしれないけれど一回の排便で下痢がスッキリと治まる事なんてあるんだろうか?しかもあんなに激しい下痢で・・・。栄子さんはあの排便で本当にスッキリする事ができたのだろうか?
(もう一回くらいトイレに来るんじゃ・・・?)
排便中の栄子さんが下痢なのに「ブジュ~ッ!!!」 っと一度しかおならをしなかったのも僕には全然満足できなかった。あの時はまわりがしんと静まり返っていたのでトイレの中の様子は僕の耳まで筒抜けだった。最初の水洗音に紛れさせて放屁してなければおならはあの水っぽいのが一回だけだ。体質的な事もあるのかもしれないけれど下痢なのにおならがあの一回だけだなんて・・・。
(栄子さんの下痢が治りませんように・・・)
僕にできる事はこの酷い祈りを続けることだけ。 バックヤードの整理も段々先が見えてきた。あとは栄子さんがもう一度トイレに来るのを待つだけだ。
作業を一時間くらい続けていると厨房の出入り口からパラパラと従業員が出てき始めた。 この日のように暇な日は若いパートから順番に早上がりをさせられるような事がよくあった。事務所もそろそろ終了する時間。そのうちの何人かがトイレに寄っていく。僕の存在に気付いて音消しをしっかりと行う者、また僕が居るのを知っているのに無防備にジョボジョボ音を響かせる者といろいろだったが、 滞在時間とペーパーを手繰る音からその全てが小用であることが予想された。今日は若い子のジョボジョボ音で興奮している場合じゃない。
僕の意識は完全に栄子さんの下痢にロックオンされていた。
そうこうしているうちにレストラン部門の営業が終わったようだ。 ホール担当の従業員たちが続々と厨房入口から出てきた。ほどなくして調理担当の職人さんたちも厨房から出てくる。この時間に出てくる従業員は男性が多いので僕は挨拶をしてそれをやり過ごした。レストランの営業が終わってもフロント部門の仕事はまだ一時間以上残っているのでここでまだしばらく栄子さんを待つ事ができる。
この段階で栄子さんはまだ厨房から出てきていなかった。 栄子さんは残っている職人さんの補佐で明日の仕込みを手伝っているはず。僕は誰もいなくなった事務室のタイムカードを確認する。 男性の職人さん2人と溝口さん、そして栄子さんが厨房内に残っているようだ。
僕はバックヤードの仕事を切り上げた。女子トイレの前のダンボールを片付けるとバックヤードの照明を半分に落とす。これでバックヤードは作業が終わっているという体になった。 あとはダンボールの影に潜んで栄子さんが出てくるのを待つ事にする。栄子さんが出てきたら足音に気をつけてトイレの前に陣取る。もうフロントも厨房も静かになっているので先程よりトイレの中の状態が鮮明に聞こえるはずだ。 全体がしんと静まり返っているのでほかの従業員がバックヤードにやって来る足音もよく聞こえてくる。これならその音を聞いてから逃げたり仕事をしているふりをしても十分に間に合う。
残り時間を考えると空振りの可能性の方が高かったが僕は自分の勘を信じたかった。
栄子さんが使ってから何人もの女性従業員がトイレを使ったので、ここで一応現段階の残り香チェックをしておく。ドアを開けると薄く女性独特の甘いような香りと元々トイレに沈着しているようなアンモニア臭が混じったニオイがした。やはり先程の女性陣もおしっこだったんだな。さすがに栄子さんの下痢臭も残っていなかった。
栄子さんが下痢をしてからもう2時間以上経っている。
もう下痢は治まってしまったんだろうか?
僕の就業時間がまだ一時間以上残ってるとはいえ栄子さんが帰ってしまえばそれまでの話だ。
今までも仕込みに時間が掛かるような時はフロント部門の僕と厨房の栄子さんの帰る時間が一緒になる事も珍しくなかったが、今日のようにバイトの子を早上がりさせるほど暇な日は営業中に仕込みを行う事もあるので今すぐ栄子さんが帰ってしまってもなんの不思議もなかった。
状況が厳しいのは自分でも理解できた。それでもダンボール箱の影に隠れて栄子さんを待ってしまうのはまさしく変態の性なのだろう。 僕は期待度が低い事を認識しながらも、確認作業としてどうしても最後まで見届けたいという衝動を抑える事が出来なくなっていた。
この時間のバックヤードは本当に静かだ。たまに遠くの方からフロントの声や厨房の大型冷蔵庫を開け閉めする音が微かに聞こえてくるだけだった。
(やっぱりこないかな・・・)
この状態で10分も待っているとさすがに段々弱気になってくる。もう少しで帰れるというのにわざわざ会社のトイレでうんこをする人もあまりいないだろう。もし栄子さんがトイレに立ち寄ったとしても帰りがけのおしっこの可能性だって十分に高い。
20分近く経過しさすがにあきらめ始めた頃、
きゅっ きゅっ きゅっ きゅっ・・・
濡れた厨房の床の上を歩くサンダルの音がこちらに向かってきた。
厨房の出入り口が開く・・・栄子さんだ。
栄子さんだ
バックヤードの照明が半分落ちているとはいえダンボール箱の隙間から見える後ろ姿は栄子さんで間違いなかった。栄子さんはタイムカードのある事務室とは別の方向に足を向ける。よしっ、その先にあるのはトイレだ。若干急ぎ足だったのが気になったが栄子さんはそのまま女性用トイレのドアを開けて中に入る。僕は足音に細心の注意を払って急いであとを追う。
バタンッ・・・カシャッ!
僕がドアの前にもうすぐ着くというあたりで女子トイレの内からパーテーションの開閉音と鍵をかける音が聞こえてきた。僕は誰かがバックヤードに入ってきてもすぐに逃げられるように立ったままではあったが仕事中の体は取らずにドアの前で完全に聞き耳を立てる態勢になった。
ガサガサガサッ・・・、カサカサッ・・・ズズ・・・
衣擦れの音としゃがんだ時の位置調整でスリッパが床に擦れる音が聞こえてきた。静寂のおかげとドアとパーテーションの隙間が大きいせいかトイレの中の音が想像以上に鮮明に聞こえて来る。まるで同じ空間にいるような感覚だ。
グンッ、ザザァ~~~~
今回も栄子さんは水を流して音消しを行った。しかし今回は音消しの水音がまだ聞こえている最中に水音なんかじゃ消しきれない音量で、
「ブボボッ!!」
という軟便とおならが同時に出るような音を響かせた。
「ぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅ・・・」
バックヤードに誰もいないと思っているせいだろうか栄子さんは水音が完全に止まっても無防備に排便と放屁を続けた。
ゴボゴボゴボゴボ・・・
腸内で異常発酵でも起きているのだろうか、栄子さんのお腹の音らしきものまでが聞こえてくる。栄子さんの息みにシンクロする切なげな吐息が気の毒だ。
「グプッ・・・プペペぺぺ・・・」
軟便とガスの混合率によって排泄音に変化をつけながら栄子さんの排便が続く。どうしても派手なおならの音に気が向きがちだが同時にけっこうな量の軟便が排便されているようだ。使いかけのマヨネーズを勢いよく絞り出すような音が数回に渡って聞こえてくる。
しんと静まり返ったバックヤード・・・僕と栄子さんは大きな隙間によって同じ空間に存在している。栄子さんに失礼な例えだが、立っている僕とお尻を出してしゃがんでいる栄子さんとの距離や位置関係は散歩中に糞をしている犬とリードを持っている飼い主のそれと何ら変わることがなかった。
ドアのせいで見えないだけで、立っている僕の視界斜め下では栄子さんがお尻を丸出しで下痢をしている。 リードを持っている散歩中の僕にはこのコの排便が終わるのを待つ事しかできない。
「ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ・・・ぐじゅぐじゅぐじゅ・・・」
気の毒なくらいにおならが出続ける。あともうちょっとで帰れるのに栄子さんはうんこが我慢できなかったんだな・・・きっとギリギリまで我慢したからこんなにお腹がパンパンになっちゃったんだろうし、トイレに向かう時も急ぎ足になっちゃったんだろうな・・・
カラカラカランッ・・・
大きな音が聞こえなくなってからも5分くらい腹痛と戦っているのであろう切なげな吐息と肛門の鳴り程度の小さな放屁が聞こえていたが、 ここでやっとペーパーを手繰る音が聞こえてきた。
カサカサ・・・ カラカラカランッ・・・ カサカサカサ・・・
音が筒抜けなのでお尻を拭く音までが聞こえてくる。 きっとこんなに下痢をしたのだから肛門が痛いに違いないだろう。全てが気の毒だ・・・
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
お尻を拭き終えたみたいなのに衣擦れの音も水洗音も聞こえてこない。 ・・・どうしたんだろう?
「ぐぶぅ~~~~~っ、ぶりぶりぶりっ・・・ぶりりりっ・・・」
突然長いおならと共に排便音が聞こえてきた。栄子さんが下痢特有の拭いている最中にもう一回したくなるアレになっている。 もうこれ以上ないくらいに気の毒になってきた・・・
・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ カラカラカランッ・・・
どうやら栄子さんの便意が治まったようだ。 僕はここで栄子さんを出迎えて音を聞かれた事を悟らせてあげたくてしょうがなかったが、今後の栄子さんとの関係性とあまりにも栄子さんが気の毒だった事を考慮して、今回は泣く泣くダンボール箱の影に舞い戻ることにした。
水洗音のあとしばらくして栄子さんがトイレから出てきた。ダンボール箱の隙間から見る栄子さんの表情がぐったりとしている。 ぐったりとしてはいるが一回目の時よりも顔色に赤みがさしているようにも思えた。まっ、あんなに踏ん張ってたんだから仕方がないが・・・
きゅっ きゅっ きゅっ きゅっ・・・
厨房の出入り口を開けると先程より少しだけ軽やかな足音を聞かせながら栄子さんが厨房内へと戻っていった。
あとは僕のする事はひとつだけ。 残り香チェックである。
速やかに女子トイレのドアの前まで移動して周りの音に細心の注意を払う。この状態ですでにドアの前が若干うんこ臭い・・・よし、誰の足音も聞こえない! 僕は息を吐ききった状態で女子トイレのドアを開けるとそこに頭を突っ込んで大きく息を吸い込んだ・・・
(くっせぇ~~~~!くさい!くさい!マジでくさい!)
そこには想像を絶する濃度の便臭が充満していた。いや、あれだけおならをしてたんだからこの便臭には栄子さんのおならのニオイもかなり混じってるはずだ。 とにかく下痢特有の硫黄臭と野菜が発酵したようなニオイが強烈に混じっている。そして少しネギみたいなニオイもした。
そういえば栄子さんは最初の音消しと一番最後にしか水を流していなかった。その間、和式便器の底には栄子さんの下痢便が大量に堆積したままだったという事になる。そりゃ臭うわけだ・・・
鼻がバカになるくらいまで深呼吸を続けていると厨房の方から話し声が近づいてきた。厨房の仕込みが終わったようだ。僕はとっさに事務室に逃げ込んで栄子さんたちがタイムカードを押しに来るのを待つ。事務所にやってきた職人さんから順番にタイムカードを押して帰っていく。 一番年下の栄子さんの順番は最後だ。
「お疲れまさです。」
「ハルくん今日出番だったの?」
「はい。バックヤードの整理当番だったんですよ。」
「そうだったんだ・・・一日中?」
「あっ、いや、フロントと行ったり来たりです。どうかしたんですか?」
「ううん。ハルくんっておうち遠いんだったよね。気をつけて帰るんだよ。お先~♪」
いつものように優しい言葉を掛けてはくれたが僕には何か普段と様子が違うように思えた。とにかく何かを気にしている様子がみえたがそれを無理に取り繕ってる感じがした。もしかしたら僕に音を聞かれたことを察したのかもしれない。
その日の手淫は近年稀に見る「良い手淫」だった。
栄子さんがまたうんこをした日
栄子さんが激しい下痢をしてから一ヶ月ほど経ったころ。
その日は中途半端に早出をした日だったのでいつもより40~50分だけ早く仕事を上がる事ができた。早出残業の扱いにする事もできたがたまに早く帰るもの悪くない。
帰る前にトイレに寄っていこうと思い、フロントを出てバックヤードの方へ向かうと誰なのか人影のようなものが横切っていくのが視界に入った。 バックヤードの照明は作業が終わっていたので薄暗くなっている。僕は後を追った・・・
(あっ、栄子さんだ)
トイレの入り際に室内の照明が栄子さんの顔をはっきりと照らした。栄子さんはトイレの前にキティちゃんのサンダルを揃えて脱ぐと僕に気付かずに中へと入っていった。僕は足音に気をつけて女性用トイレの真ん前に陣取る。
(また下痢だったりして・・・でもそんな奇跡的なことが続くわけないか・・・)
バタンッ・・・カシャッ! ・・・ガサガサガサッ・・・、カサカサッ・・・ズズ・・・
この会社の従業員用トイレは音が筒抜けだ。レストランの営業も既に終わっていて今は栄子さんと数人が明日の仕込みで残っているだけだ。フロントももう暇になっていてバックヤードはしんと静まりかえっている。
シュィ~~~~~ジョボジョボジョボジョボ・・・
栄子さんが音消しをせずにおしっこを始めた。あまりの筒抜け具合におしっこが栄子さんの尿道から放たれる音までリアルに聞こえてくる。
ジョボジョボジョボジョボ・・・
我慢していたのか栄子さんのおしっこが長い。それにしても音消しなしとは今日の栄子さんは無防備だな・・・って事はおしっこだけだな。
ぶりっ・・・ぶりぶりぶりっ・・・ぶりりっ!
(うわっ、栄子さんうんこした・・・)
前回の下痢より重めの音が大きく聞こえてくる。音の質感からいって健康便と軟便の間くらいの便が勢い良く出てきた音のようだ。特徴的だったのは便自体にかなりのガスが含まれていたようで、おならはしなかったのに前回の下痢同様大きな音を立ててしまっていた事だ。
カラカラカランッ・・・
今日の栄子さんは排便を粘らない。どうやら腹痛を伴う便意ではなかったようだ。
カサカサ・・・ カラカラカランッ・・・ カサカサカサ・・・
(栄子さんがトイレから出てくる・・・どうしよう?)
前回はダンボール箱の影に隠れて栄子さんをやり過ごしたけれど、今回は偶然を装ってトイレの前で鉢合わせして様子をみてやろう。
ジャ~~~・・・バタンッ
栄子さんが水を流してパーテーションの扉を開ける音が聞こえてくる。栄子さんは結局最後に一回しか水を流さなかった。栄子さんの身体に纏わりついたうんこのニオイが嗅げるかもしれない。
ジャバジャバジャバ~・・・キュッ
洗面台の蛇口を閉める音が聞こえてきた。今だ!僕は一旦女性用トイレの前から離れて、大きめに足音を立てながら再びトイレの方に歩き始める。トイレのドアが開いて栄子さんが出てきた。
「お疲れ様です!」
「あっ・・・」
栄子さんが「うんこの照れ笑い」をした。しかし少し距離があるところから声をかけたのでまさか脱糞音を聞かれたとまでは思っていない様子だった。ただやはり若干テンパってはいるようでサンダルを履くのに少しまごついている。僕は事務所に行くふりをしてまごついている栄子さんの真横を通り過ぎた・・・
あれ?クサくない(´・_・`)
栄子さんの周りからは薄く女性のいい匂いが漂ってるだけだった。
「ぼく今日早出だったんでお先します!」
「お疲れさま!気をつけて帰るんだよ(^-^)」
栄子さんがうんこの照れ笑いからいつもの笑顔に戻っている。僕は事務所に入って栄子さんが厨房に消えるのを待った。することはただ一つ!
栄子さんが厨房に戻ったのを確認してから僕はもう一度女性用トイレの前に立つ。
厨房の音、フロントの音に細心の注意を払う・・・よし!誰も来ない!
僕は思いっきり息を吐いてから女性用トイレのドアを開け中のニオイを嗅いだ。
(くっさ~~~!くさい!くさい!今日もくさい!)
先程すれ違ったときには感じなかった栄子さんの便臭がもの凄く強く感じられた。しかもまだトイレ内の大気に混じりきっていないようにニオイに濃淡がある。便臭は前回の下痢臭とは違って重い感じの深みのあるうんこ臭だった。でもなぜか今回もネギのようなニオイがする・・・
僕は鼻がバカになるまで深呼吸してから記憶が薄まらないように家路を急いだ。
(栄子さんネギが好きなのかなぁ?)
その日の手淫も充実していた。
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