高校の女子トイレ

茶色い水面が波打ち始める

僕が小学校低学年の頃まで僕たちの小学校のすぐ隣に高校の校舎が建っていました。僕がまだ小学校にいるうちに新校舎に建て直されたくらいなのでこの当時の校舎はもうかなり朽ちかけていました。本当にオンボロの木造校舎だった。

その頃の僕たちは下校時になると高校の裏側にある本来通ってはいけない所を近道として利用していました。別にそれほど距離の変わらないところにキチンとした道はあったんだけれど、近道を通れば教室の窓から授業をうけている高校生たちが見えて、授業に飽きているお姉さん達が僕たちに手を振ってくれたりすることがあって、たったそれだけの理由でそこを通るのを楽しみにしていたのだ。

教室が並んでいるので同じような窓がたくさん並んでいる。 その横を僕たちが中をのぞきながら歩く。今日もお姉さんたちが手を振ってくれた。先生もそれに気づいてたみたいだけど特に怒られることはなかった。

並んだ教室と体育館のつなぎ目に大きくせり出した部分があった。高い位置に窓があったので中をのぞくことはできなかったけれどその下に汲取口が並んでいたのでそこがトイレだという事がわかる。いつもは何事もなくそこを通り過ぎるんだけど、今日は友達が「あ~!」と叫んで汲取口の方に走っていった。僕たちも急いであとに続く。

並んだ汲取口の蓋がいくつか外れている。 誰かの悪戯なのかそれ とも木製なので風で飛んでしまったのかはわからない。でもいつもは見ることのできない中を見ることができた。先にのぞき込んだ友達が「すげぇ~!」と興奮している。僕も空いている汲取口をのぞき込んだ。

開いている汲取口から差し込んだ光で照らされた部分しか見えなかったが、 中には茶色い液体が大量に溜まっていた。 僕はその光景に圧倒されて声が出せずに只々じっと中を観察していた。

茶色い液体に白い紙のようなものがプカプカと浮いている。そしてそれ以外にも白い物体が浮かんでいる。いま思えば生理用品だったような気もするが当時の僕にはそれが何か分かるはずもなかった。残念ながらうんこらしきものは見えなかった。

しばらくするとガヤガヤとトイレが騒がしくなってきた。女の人の話声だ。すると突然じょぼじょぼじょぼじょぼ~~~と茶色い水面が波打ち始める。その水音がいたるところから聞こえてきた。

一瞬なんの事か分からなかったけれど、 休み時間になってみんながトイレを使ったんだということはなんとか理解できた。

「げぇ~~~っ汚ねぇ~!」

リーダー格だった友達が走りだす。つられるように他の友達も帰りはじめた。僕も本当はもっとのぞいていたかったけれど帰ることにした。

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