あきこちゃんと温泉旅行へ行った日
僕の住んでいる札幌には市街地から30~40分程度で行ける定山渓温泉という奥座敷的な温泉郷がある。
今までの苦労はいったい何だったんだろうというくらいにあっさりと温泉に行く約束を取り付けた僕は、この地をあきこちゃんとの初めての温泉一泊旅行の目的地とすることにした。ここならあきこちゃんの仕事が終わってからでも食事の時間までにチェックインする事ができる。
今回は「温泉でゆっくりしたい」 というあきこちゃんの希望を大きく取り入れて客室露天風呂付き会席料理プランでの一泊ということになった。 電話で予約するときに、料金を聞いてあまりの高額に一瞬たじろいだのを今でも覚えている。
(もしかしたらドタキャンされるかも・・・(´・_・`) )
約束の時間より30分以上も早く着いてしまった僕は、いつも待ち合わせに使ってるコンビニの駐車場であきこちゃんがやって来るのを今か今かと待ちわびていた。改めてこれから初めてのお泊りなんだと思うと極度の緊張感が襲ってきてお腹が痛くなってくる。ドタキャンも怖いが初めての一泊旅行に際しあきこちゃんに対していったいどんなトーンで向き合えばいいのかもまだ決まっていない。楽しい旅行のはずなのに何故なのかちょっと逃げ出したい心境になってきた。そして結局腹痛を我慢できなくなった僕はそのコンビニのトイレでうんこをするはめになった。 せっかく出掛けにシャワーを浴びてきたのになんだかとっても損をしたような気分だ。
約束の時間を少し過ぎた頃、コンビニの向こうから駆けて来るあきこちゃんの姿が見えた。
「おつかれ~( ´∀`)」
「ゴメーン!待ったぁ?」
「ううん。いま着いたところだよ( ´∀`)」
「用意してたら遅くなっちゃった。」
「別に走ってこなくたっていいのに・・・」
「なんか悪くてw あ~お風呂入りたい!」
「入りに行きましょう!」
「行こう♪」
さっきまで僕を苦しめていた極度の緊張感が、あきこちゃんの姿を見ることによって薄らいでいくのがよくわかった。早速僕は温泉に向けて車を走らせる。
(よかった・・・とにかくドタキャンはされなかった。)
ホテルへ向かう途中にあきこちゃんがスーパーに寄りたいと突然言い出だした。何やらホテルで夜に飲むワインが欲しいとの事だったが、 飲みものだったらホテルでも買える。
「ホテルの売店で買えば?ルームサービスだってあるじゃん。」
「なに言ってるの。そんなの高いしお金もったいないよ( ・`ω・´)」
あれ?あのホテルって持ち込みOKだったかな?とも一瞬思ってしまったが、そんなことよりなんか庶民的なことを言ってるあきこちゃんの事が僕にはとても好ましく思えた。 今回の温泉旅行は僕が奢るとは伝えてあったが、あきこちゃんはそこに乗っかって贅沢三昧をしようとする様子がまるでなかった。それどころかワインの会計をしようとする僕を制して自分で会計を済ませてしまった。
「ワインくらい買わせてよ(´・_・`)」
「いいの。どうせハルくん全然飲まないでしょ?」
たしかに僕はお酒が弱い。多分このワインだってグラス一杯も飲めないだろう。全部ご馳走しようと考えていた僕にはちょっとだけ複雑な思いもあったけれど、あきこちゃんに悪気がないのは間違いない。 持ち込みの件も空き瓶を持って帰ってくればきっと大丈夫だろう。
(なんだか付き合いの長いカップルみたいな感じだな(´∀`*)」
あきこちゃんの振る舞いに僕の中にあった「嬢への慰安」や「うんこな気持ち」がどこかに行ってしまった。 そして好きな娘と温泉に一泊するという事実。もう僕の心は決まっていた。
(今日はあきこちゃんとセックスをする日だ( ・`д・´))
それから程なくして目的のホテルに到着した。たしか午後6時を少し過ぎた頃だったと思う。
ホテルでくつろぐ偽夫婦
フロントで名前を言うとすぐに仲居さんが僕たちを部屋まで案内してくれた。 僕のことを「ご主人」あきこちゃんのことを「奥様」と言っていたのがとても印象的だった。そうか、僕たちは端から見ているとカップルというよりは夫婦に見えるんだな・・・ そう思うとなんだかこそばゆいようななんとも言えない気持ちになった。
仲居さんに促されるまま室内に入ると、 中は玄関だけでも実家のぼくの部屋に匹敵するほどの広さがあった。 そのまま奥にある和室へ進もうとすると、その途中にこの部屋の売りでもある客室露天風呂があるのが目に入る。今晩はここでいろんな事があるに違いない。いや、頑張っていろんな事をしなくちゃいけないんだ。早くも僕の中で気合が空回りし始める。
しかし、今日はいつも使っているラブホテルのように数時間だけという縛りはないのだ。 明日の朝までたっぷりと時間があるじゃないか。今日はいつもより圧倒的な時間がある。 そう自分に言い聞かせながら僕は平静を取り戻そうとしていた。
今回のプランは部屋に入ってから受付を行なうのでお座敷のテーブルに付いてから宿帳を記入する。仲居さんは僕たちのことを夫婦だと思っているようだったのでその宿帳には僕の苗字と名前。そしてその隣に僕の苗字とあきこちゃんの本名を合わせたものを書いておいた。あきこちゃんは何も言わずにそれを見守ってくれていた。
続けて仲居さんから館内施設の案内や避難経路の説明を受ける。どうやら僕たちのいるフロアは一般のお客さんが入って来られないフロアらしく、しかもこのフロアの客しか使えない露天風呂もあるらしい。 明日の朝食の後にこのフロアの客だけが使えるラウンジで焼きたてのパンとお茶が振る舞われるサービスもあるとのこと。 なんだかよくわからないがどうやら奮発しただけの甲斐があったようだ。
部屋に入った時間が遅かったのでそのまま食事の時間となった。 会席プランなので一品ずつ仲居さんがテーブルに料理を運んできてくれる。 筆で書かれたおしながき通りに進んでいく料理を、僕たちは仲居さんが奨めてくれた日本酒を飲みながらゆっくりと楽しんだ・・・が、 当時の僕たちは会席料理というものに慣れていなかった。 慣れてなかったが故に食事中こんなことが起きた・・・
「松茸の土瓶蒸しでございます。」
仲居さんがそう言って部屋を出て行った。 目の前のテーブルにはテレビで何回か見たことのある松茸の土瓶蒸しが鎮座している。
「あきこちゃん松茸の土瓶蒸しって食べたことある?」
「ううん・・・」
「このスダチってお猪口に絞るのかな?それとも土瓶の中に・・・」
「わかんない・・・」
ふたりともこの料理の食べ方が分からなかったのだ。とりあえず僕は土瓶の蓋を取ってみた。
「おぉ~具がいっぱい入ってるよ(^o^)」
「本当だぁ~」
「この具は食べてもいいんだよね?出汁ってことはないよね・・・?」
「わかんないけど・・・いいんじゃない?」
「よし、仲居さんが来る前に片付けちゃお♪」
「うん(*´∀`*)」
頭の悪いこの偽夫婦は板長の作ってくれた高級料理を勢いで片付けてしまった。
その後も一品一品食事が進んでいく。お酒を飲みながらゆっくりだったので食事だけでもたっぷりと2時間の時間がかかった。 仕事終わりで疲れているのだろうか、 あきこちゃんが途中からおとなしくなっていたのが少し気になった。
あきこちゃんの様子がおかしい
ホテルに到着したのが午後6時過ぎ、手続きやら何やらがあってそこからたっぷり食事に2時間を掛けたので仲居さんがテーブルの片付けを終えて部屋から出て行ったのが午後9時頃だったと思う。やっと部屋でゆっくり出来ると思っていたら仲居さんが部屋を出て行くのを待っていたかのようにあきこちゃんが急に大浴場へ行こうと言い出した。
「えっ?いま?(・д・` )」
「うん(#`-_ゝ-)」
「食事の後すぐにお風呂に入らない方がいいんだよ(・д・` )」
「せっかく来たんだからいま入りに行きたい(#`-_ゝ-)」
「部屋にある露天風呂じゃダメなの?(・д・` )」
「じゃあ、わたし一人で行ってくる!ヾ(*`Д´*)ノ”」
食事中疲れたようにおとなしかったあきこちゃんを気遣ったつもりだったが逆にあきこちゃんの怒りを買ってしまったようだ。拗ねているというよりは本気で怒ってるようにも見えるので仕方がない。僕も一緒に部屋を出ることにした。それなのにあきこちゃんは僕が部屋から出るまでずっと 「 ねぇ、まだ? 」 「ちょっと早くしてよぉヾ(*`Д´*)ノ”」と僕を急かし続ける。 ゆっくりしたいって言ってたのはあきこちゃんなのにせっかくの温泉でいったい何を急いでいるんだろう・・・
タオルを用意して玄関に向かうとあきこちゃんの姿がそこには無かった。 いつの間にか部屋を出て行ったようだ。 慌てて部屋を出るとあきこちゃんがエレベーターホールで僕においでおいでをしている。ここの大浴場は24時間入れるので急ぐ必要なんて全くないのに・・・しかも僕たちは今晩ここに泊まるのに・・・あきこちゃんどうしちゃったんだろ?
「ゴメン!待たせた(´・_・`)」
「・・・あ~・・・ちょっと待って・・・」
「どうしたの?(´・_・`)」
「お部屋にお財布忘れてきちゃった・・・」
「小銭入れなら持ってきてるから大丈夫だよ(^^)」
「えっ、うん・・・」
ピンポーン!
部屋に戻ろうとするあきこちゃんを制しているうちにエレベーターが到着してしまった。僕が先にエレベーターに乗り込むとあきこちゃんもそれに続いた。 いつの間にかあきこちゃんが食事の時と同じくらいおとなしくなっている。なんだか様子もいつもと違ってみえた。
「あきこちゃん大丈夫?(´・_・`)」
「なにが?(-_-メ)」
何気ない僕の一言にさえムッとした表情を見せるあきこちゃんに僕はもうそれ以上何も言えなくなってしまう。 そうこうしているうちに大浴場の入り口まで二人は着いてしまった。
「時間どうしよう?(´・_・`)」
「一時間後にそこのソファーで!」
あきこちゃんはそう言うと女性用の大浴場へそそくさと消えていってしまった。
何かあきこちゃんを不機嫌にさせるような事をしたのだろうか・・・?僕はそんな事を思いながらも久しぶりの温泉を一時間ゆっくりと堪能した。
「ごめ~ん!待たせちゃった?(*´ω`*)」
少し早めに上がってソファーでくつろいでいた僕がその声に顔を上げると、そこには先程とは別人のような穏やかな顔のあきこちゃんがこちらを向いて立っていた。
「あっ、ゆっくりできた?(^^)」
「うん(*´ω`*)」
あきこちゃんの満足気な笑顔に僕もひと安心だ。
部屋に戻ってくると和室に布団が敷かれていた。時計はもう午後10時を回っている。
さて、これからどうしよう・・・軽く飲んでから・・・するか。 ・・・するのか?
当時の僕は辛うじてチェリーボーイではなかったものの女性で言うところのセカンドバージン状態であった。女性の扱いなんてほとんど何も知らない男が初めてのお泊りに対してテンパってしまうのにそれ程のキッカケは必要ない。二組並んで敷かれている布団を見ただけで頭が真っ白になってしまった。
そんな僕の気持ちなど知らずにあきこちゃんはドライヤーで髪を乾かしたりなんかしている。 僕はなんとか落ち着こうと、玄関においてあるソファーに座って髪を乾かしているあきこちゃんのことを眺めていた。
「・・・」
「なに見てるの?(*´ω`*)」
「あきこちゃんが髪を乾かしてるところ(´・_・`)」
「なんでwww もう終わったよ(*´ω`*)」
自分でも心臓がバクバクしてるのがよくわかった。ニコニコしながら和室に戻っていくあきこちゃんの後を意を決して僕はついていく。これから飲むにしてもエッチな事になるにしても僕がテンパっていたら絶対にうまくいく訳がない。しかし、和室の座椅子に座ったあきこちゃんが意外な事を言い出した。
「ねぇ、ねぇ、お部屋の露天風呂に入ってみたら?」
正直意外すぎて僕は面食らってしまった。 たった今ふたりは一時間の長風呂を済ませてきたばかりだというのにあきこちゃんはいったい何を言い始めるのだろう。
「いま入ってきたばかりでしょ?あとにするよ」
「せっかく来たんだから入りなよ(-_-メ)」
またあきこちゃんが不機嫌になった。部屋に嫌な空気が漂う。さっきまでの笑顔はどこに行ってしまったんだろう。 あきこちゃんの様子がおかしいなと思いつつも仕方がないので僕は部屋にある露天風呂に入ることにする。
「じゃあ、入ってくるね(´・_・`)」
「うん。せっかくだからゆっくり入っておいで(*´ω`*)」
脱衣場で裸になりながらも僕はまだ気持ちの整理がついていなかった。
(なにがゆっくりだよ(´・_・`))
(今日のあきこちゃんなんか変(´・_・`))
(ってゆーか、なんで僕一人が露天風呂に?(´・_・`))
(あきこちゃんはひとりになって何をしたいんだろう?(´・_・`))
やっぱり納得がいかなくなった僕はきびすを返して全裸のまま部屋に戻った。
「やっぱり一緒に入ろう!」
「( ゚д゚)ハッ!」
僕がふすまを開けるとあきこちゃんがTVの前で立ちながらビックリしたようにこちらをみていた。手にはなぜか部屋のゴミ箱に被せてあった透明のビニール袋が持たれている。
「何してるの?(´・_・`)」
「えっ、ゴミを片付けようと思って・・・(;・∀・)」
「やっぱり一緒に入ろう(´・_・`)」
「え?・・・あ・・・うん(;・∀・)」
お風呂に入っている間もあきこちゃんの様子がおかしい。なにか僕の様子を窺っているようなところがある。 あきこちゃんは何かを隠そうとしてるのかな?なんだろう・・・?
確かめたい。
「おれ先にあがるね!」
「えっ、私も( ゚д゚)!」
あきこちゃんが僕のあとに続いて急いで露天風呂から脱衣場に入ってきた。これは怪しい・・・僕に先に部屋に入られたくないのだろうか?こういう時は男性の方がサッとパンツがはけるので有利だ。 僕は身体を拭くのも早々に焦っているあきこちゃんを置き去りにして部屋に戻る。
「・・・」
「あっ、ちょっと待って!(;゚Д゚)」
あきこちゃんの焦り方が尋常じゃない。
「あっ、ちょっと待って!(;゚Д゚)」
あきこちゃんの焦り方が尋常じゃない。これは何かのサプライズなのか?いや、サプライズにしては隠し方があまりにも下手くそ過ぎだ。間違いなくあきこちゃんは何かを僕に隠している。 そう言えば、さっきあきこちゃんは何をしてたんだろう? ゴミを捨てるのにわざわざゴミ箱に被せてあるビニール袋を取り外す必要なんてあるのかな?
(よし!ゴミ箱周辺が怪しい( ・`д・´))
さっそく僕はTVの横に置かれたゴミ箱をチェックする。 ゴミ箱はビニール袋が外された状態でそのままにされていた・・・中にはなにも入っていない。外されたビニール袋もそのゴミ箱の横に置かれたままになっている・・・あれ?やっぱり僕の気のせいだったのかな・・・どこかほかに怪しいところはないかな・・・ん?
・・・これ何だろう?
床の間風に設えられた棚の上に置かれたTVの裏に、 なにやら布の塊のようなものが不自然に置いてあった。いや、置いてあったというよりは投げ込まれたといった方が納得のいくような状態でそこにあった。僕は手を伸ばしてそれをなんとか掴みとる。
・・・えっ?・・・パンツ?
「ちょっとハルくん何してるの?やめて~!( ;´Д`)」
あきこちゃんが塊を見つけた僕に気付いて狼狽している。僕は構わずその丸められた布を広げた。広げたパンツの股間の部分が茶色に染まっている。
はは~ん・・・漏らしたな。
「あ~・・・(´Д`)」
あきこちゃんはそう声を上げるとふすまを掴んだまま敷居の部分にヘナヘナとしゃがみこんでしまった。
「お漏らししたの?」
「え~~~だって・・・」
なにがだってなのかは僕にはよくわからないが、否定をしないところを見るとこのパンツはあきこちゃんのパンツで間違いないようだ。僕はパンツの裏をジロジロとチェックする。
パンツのシミは肛門付近だけではなく前後に亘り15センチほど広がっていた。きっとペーパーで何度も何度も拭き取ったのだろう。 裏地が傷んですこし毛羽立っているのが生々しくて痛々しい。よく見るとペーパーの滓のようなものも付着している。あきこちゃん渾身の処理でなんとかうんこは拭い取られていたが、それでもこのパンツがうんこを漏らされたものであるということは誰が見てもハッキリしているくらいの惨状だった。
僕はやおらそのパンツを鼻の前に持っていき、わざとあきこちゃんに見えるようにクンクンとニオイを嗅いでみせた。さすがにお漏らしパンツなので無臭とは言えないが、それでも目に映る茶色のインパクトほどのニオイは感じられなかった。
「バカ・・・(´・ω・`)」
全てを諦めたのかあきこちゃんが力なくそう呟いた。
「お腹壊しちゃったの?」
「・・・・・・」
僕の問いにあきこちゃんは無言のまま、また露天風呂の方へと消えていった。僕も慌てて後を追う。 が、その前に手に持っているあきこちゃんのお漏らしパンツをどうにかしなければならない。 僕はこのパンツの処理をしてからあきこちゃんの後を追うことにした。
きっとあきこちゃんがさっきしたかった事はこれなんだろう。お漏らしパンツを他の衣類と一緒にしたくなくてビニール袋を探してたんだな。 僕はゴミ箱の横に置かれていたビニール袋を拾い上げるとあきこちゃんのパンツをその中へ入れた。 ビニール袋が透明なのでうんこの汚れが見えないようにパンツを内側に丸め、ニオイが漏れないように空気を抜いてから口元をきつく縛った。
さて、この雰囲気をどうしよう・・・?
あきこちゃんのうんこのニオイを嗅いで僕のチンチンが反応をしてしまっていた。 今日はあきこちゃんと結ばれるつもりでここまで来たはずだったが、 あきこちゃんがうんこを我慢できなくてお漏らしをしてしまったという事実に、 理性で抑え込んでいたはずの「うんこな気持ち」がムクムクとまた頭をもたげ始める。
僕は足りない頭で一生懸命に打算をした。 いま僕がどんなにうんこな気持ちになったとしても、 あきこちゃんがお漏らしをしてしまった以上今現在あきこちゃんの腸内にうんこがもうないのは事実だろう。しかもあきこちゃんは僕がお漏らしに気付いてしまった事にショックを受けている。いまの僕には「うんこ的に」出来る事は何もない。いまあきこちゃんの腸内にうんこが無かったとしても明日の朝までにもしかしたら新しいうんこが降りてくるかもしれないじゃないか。 そうだ、やっぱりいまの僕にできることは 「うんこな気持ち」 をもう一度抑えこんで目的を 「セックス」 に再設定することだろう。
さぁセックスだ!
僕が露天風呂に出るとあきこちゃんがこちら側を向いて檜の湯船につかっていた。
表情はやはり晴れない。僕も一緒にお湯につかることにする。
「お邪魔します(^-^)」
「・・・・・・」
「あっ、星がけっこう綺麗に見えるよ!」
「あっそう・・・(-_-)」
「露天風呂はやっぱり気持ちがいいね(^-^)」
「そうね・・・(-_-)」
怒っているわけではなさそうだけれどあきこちゃんがツンツンした態度を取っている。せっかく一緒に湯船につかっているのにこれでは雰囲気もなにもあったもんじゃない。だが、 初めてのお泊りでうんこを漏らしたうえにそれを相手に悟られてしまったんだからこの態度も仕方がないというものだろう。
そうこうしているうちにあきこちゃんが湯船から出て行ってしまった。 もともとのぼせやすい娘なのでこれはいつもの事だ。僕もあとに続いてお風呂を出た。
「あっ、これ(´・_・`)」
「・・・・・・」
部屋に戻った僕はビニール袋に入ったお漏らしパンツをあきこちゃんに手渡した。うんこな気持ちを抑え込んでいるので羞恥心を煽るわけでもなく淡々と手渡したつもりだった。 あきこちゃんは無言でそれを受け取るとバッグの中にそれを仕舞いこむ。やはり部屋の中には微妙な空気が流れている。 いつしか二人とも無言になってしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「少し飲もうか(^-^)」
「あっ、・・・うん。」
僕の提案にあきこちゃんの表情が少し緩む。うなずいた時に作り笑いではあろうが笑顔がみえた。 きっとあきこちゃんも今回の件の着地地点を模索していたんだろうと思う。さっそくスーパーから買ってきたワインを開けて乾杯をする。 僕は相変わらず少ししか飲めなかったが、 あきこちゃんは結構なペースでグラス代わり紙コップに入ったワインを飲み干していった。
そしていつの間にかいつもの「酔ったあきこちゃん」になっていた。
酔いが回ってきたのかあきこちゃんの機嫌が直ってきたように僕には思えた。先程から雑談ではあったが会話が成立し始めている。 表情もさっきまでのツンツンモードのものではなく明るいものへと変わってきた。 よし! お漏らしパンツについて疑問を投げかけるなら今だ・・・
「お腹壊しちゃったの?」
「だ~か~ら~違うんだってw」
僕の問いにあきこちゃんは怒る訳でも引く訳でもなく何か吹っ切れたような表情でぽつりぽつりと語り始めた。
「?」
「夕ご飯食べてる時にしたくなっちゃって・・・」
「あ~さっきね・・・え?途中で?」
「けっこう初めの方にw」
「トイレ行けば良かったしょや(´・_・`)」
「だって仲居さんが居たでしょ(´・ω・`)」
「別に居たっていいしょw」
「え~なんか嫌だった・・・お行儀悪いし(´・ω・`)」
「ご飯食べてる間ずっと我慢してたの?」
「したい波の合間に食べてたw」
「何してんのさwww」
「もう半分くらい味覚えてないもん(´・ω・`)」
「いっや~せっかくなのに勿体ないしょやw」
「それどころじゃなかったんだから(´・ω・`)」
「もしかして・・・ご飯中に出ちゃったの?」
「出てないから!メチャメチャ我慢したもの!」
「あ~だから元気なかったんだ(´・_・`)」
「何回か『もぉ~ダメ!』って思ったw」
「仲居さんが帰った後にすれば良かったのに(´・_・`)」
「したらハルくん『見せてぇ~』とか言うでしょ?絶対!」
「言う(´・_・`)」
「でしょ?www だから我慢したの。」
「え~~~見せてくれたっていいっしょや!」
「www」
「あっ、でもお漏らししちゃったんだよね?」
「・・・・・・」
「いつお漏らししたの?」
「・・・・・・」
「俺がお風呂の用意してた時に?それとも・・・」
「・・・・・・」
「あっ!エレベーターの前で一回部屋に戻ってこようとしたでしょ!あの時・・・」
「ハルくんこの階のお風呂に行こう!」
「え?いま?」
「そう!このフロアだけの露天風呂があるって仲居さんが言ってたでしょ!」
「酔ってるのに?」
「じゃあ一人でいくヾ(*`Д´*)ノ”」
酔ってこうなっちゃったあきこちゃんはもう誰も止めるとこが出来ない。僕も酔っていたが仕方なくこのフロア専用の露天風呂に付き合うことにした。
どうやらあきこちゃんはどうしても漏らしたタイミングについては話したくないようだ。
温泉でゆっくりしたいと言いながら僕たち偽夫婦はここに着いてからドタバタしすぎている。 ゆっくり温泉につかってお酒でも飲みながら2人で色んな話をしようと思ってたのに実際はなんともいえない微妙な雰囲気に包まれたままだった。上手くいかない現状に僕は少しイライラしていたが、これだって元はといえばすべて僕の行動が招いた結果だ。
確かにあきこちゃんが食事中に便意を催したのはちょっとしたアクシデントだったとは思う。でも、僕が普段からあきこちゃんの便意をスルーさえできていれば、たとえ仲居さんが出入りしているなかでもあきこちゃんはタイミングを図ってトイレに中座することができただろう。 僕がいつもあきこちゃんの便意に過剰に反応するからこそあきこちゃんは頑なにまでその便意を僕に悟られないように必死に我慢をしたわけだ。そうなるとその結果のお漏らしだって僕の責任だということになる。 しかも僕はあきこちゃんが隠そうとしていたお漏らしパンツを目ざとく発見してあきこちゃんの前ではしゃいで見せてしまったのだ。
(自分は本当にうんこの魅力に抗えない男だよな・・・(´・_・`))
僕は自分の自制心のなさにうんざりしながらフロア専用の露天風呂から上がって廊下に出る。 このお風呂は男女別だったのでそのままあきこちゃんが上がってくるのを待った。
「あっ、ハルくん待たせちゃった?」
熱めのお風呂でスッキリしたのかあきこちゃんの口調が先程より明瞭になっている。
「ううん。ちょうど出てきたところだよ(^_^)」
そろそろ12時になろうとしている時間だったのでお風呂は男女とも誰も居なかった。
シンとした廊下を歩いて部屋まで戻る。
「飲み直そうか(^_^)」
「うん。」
僕はうんこな気持ちをいま一度封印してあきこちゃんとの一戦に備えた。
結局なにも無いままに朝を迎えた。
色々あったが僕とあきこちゃんが一線を越えることはなかった。
昨日あのあと飲み直すところまでは順調だった。結構いい感じに飲めていたと思う。
タイミングを図ってキスをした僕をあきこちゃんはすんなりと受け入れてくれた。しかし次の行動に移ろうとした瞬間あきこちゃんがそれを拒んだ。 女性に疎い僕にはそれが本心なのかポーズなのかが分からない。あきこちゃんの表情が曇る・・・あれ?この表情どこかで見たことがあるような気が・・・
「やっぱり来なきゃよかった・・・」
あきこちゃんがボソッとそう呟いた。
思い出した。この表情はあの夏の日に蒸れた肛門の臭いを嗅いだときと一緒だ。
あきこちゃんが引いている。その表情を見て僕も一気にテンションが下がった。
(またやっちゃったよ俺・・・(´・_・`))
あの時と同じくあきこちゃんが自分の殻に閉じこもってしまった。もう僕に出来る事は何もない。僕は完全に詰んでしまったようだ。
それからなんとかフォローしてあきこちゃんを眠らせたのが夜中の2時過ぎだったと思う。悶々とした僕が眠りにつけたのは明け方だった。
翌朝ぼくが目覚めるとあきこちゃんは既に着替えてい新聞を読んでいた。 昨日の事があるので気まずかったが思い切って声を掛けてみる。
「おはよ・・・」
「おはよ(^_^)」
あきこちゃんの表情が明るい。
「えっ?起きてから結構経つ?」
「一時間くらいかな。ハルくん気持ちよさそうに寝てたから起こさなかった(^_^)」
「そっか、待たせてごめんね。」
「ううん。そろそろ朝食の時間だよ(^_^)」
「ちょっと待ってね。いま急いで用意するから。」
「うん(^_^)」
布団から起き上がった僕は若干ふらつきながらトイレへと向かう。 昨日悶々として眠れなかった僕は缶ビールを一本飲んでから寝たので膀胱がパンパンだった。洗面所の横にある木製の引き戸を開けて僕は中に入る。
(あっ!)
トイレの中に便臭が漂っていた。正確に言うと便臭と消臭剤が混じったニオイがトイレの中に薄く漂っているのを感じた。 これは昨日ここに入った時には感じなかったニオイだ。
(あ~・・・あきこちゃんうんこしちゃった・・・)
昨日あきこちゃんがお漏らしをしたあと僕はこの朝のトイレに焦点を絞っていた。あきこちゃんのうんこパターンが朝型なのは知っていたのでこの一回のチャンスに僕は懸けていた。だから昨晩飲んでいる最中にあきこちゃんがトイレに立っても僕は何も言わなかったし反応もしなかった。なのに僕は完全に後手に回ってしまったようだ・・・
せっかくの残り香だったが僕は残念すぎて興奮することができなかった。 そのまま小用を終わらせ歯を磨いて身支度を整えた。
「おまたせ(´・_・`)」
「うん(^_^)」
昨日とは打って変わってあきこちゃんが笑顔になって僕がドンヨリとする事になった。
あきこちゃんはこのフロアの客しか入れないラウンジを甚く気に入ったようで大いにはしゃいでは他のお客さんの注目を浴びていた。
そしてそのままチェックアウトの時間を迎えたのだった。
結局僕はあきこちゃんのお漏らしパンツのニオイしか嗅いでいない・・・
僕はいったい何をしに温泉まで来たのだろう・・・
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