大きいうんこの話

ある日の女子トイレ

以前ぼくが働いていた施設では、人手不足を補う為に僕らフロントマンに警備員の真似事をさせていました。

夜勤のとき、みんなが寝静まった館内を懐中電灯片手に見回るのですが、真っ暗なボイラーや一部使用していない施設部分などの巡回はビビリの僕にとってはとても気の重い仕事でした。

でも、そんな中でも唯一楽しみがあって、それが女子トイレに自由に入れるというものでした。

当然、誰も入っていないのを確認したうえで更に「失礼します!」という声掛けを行ってから入室するのですが、僕はこの中々入る事の出来ない場所へ公然と入れるという役得を毎回ワクワクしながらじっくりと堪能していたのです。

うわさでは聞いていましたが、想像以上に女子トイレが汚れている事に僕は最初かなりショックを受けました。

中に入った瞬間に感じるアンモニア臭は男子トイレより女子トイレの方が圧倒的に強く、また個室内の使い方も女子トイレの方が汚かった記憶があります。

便器に残るウン筋、和式便器後方に残った下痢の飛沫の跡、散らかされたペーパーの切れ端、不特定多数の人が利用するトイレでの所業が目に余る、というか無防備に大胆といった感じでした。

赤ちゃんの腕くらいの太さのうんこ

そんなある日、いつも通りに本来必要のない各個室の便器チェックをしていると、ある一つのブース内から強い便臭が漂ってきた。そんなときは十中八九流し忘れのブツが便器内に鎮座していて臭気を放っている。和式便器を覗き込むと便器前部の水溜りが茶色く濁っている。

「もぉ、ちゃんと流そうよ・・・」

僕はブツブツ呟きながら足でフラッシュレバーを踏んだ。
ガコンッ、ジャ~~ 若干弱めの水流が便器内に流れる。

・・・ん? ・・・あっ!

便器前部の水溜りに、赤ちゃんの腕くらいの太さのうんこが沈んでいた。
いまの水流で汚れた水だけが流れていって、うんこは残ってしまったようだ。

そりゃそうだ、うちの施設の水流じゃこの大きさのうんこは流れない。じっくりうんこを眺めてみる。水を流したせいでさっきよりうんこの臭いが強く個室内に漂う。赤ちゃんの腕は無数のうんこの粒が圧縮されて形成されていた。

誰の?今日は20人弱しか女性の宿泊客はいないはず・・・

とりあえず、うんこを流す事にする。
しかし水流が弱く何回流してもうんこが流れていく気配がない。

一瞬わり箸で突き崩してみようとも思ったが、お客さんにその姿を見られたらいちいち説明するのが面倒くさい。

掃除用のブラシで押し込む事にする。意外なほどズッシリとした手ごたえだ。不思議とブラシで押しても崩れない。やっとほぼ全体を水溜りの折り返された奥まで押し込む事に成功した。そして水を流す。

ガコンッ、ジャ~~

・・・!?水位がみるみる上昇してくる。浅めの便器内いっぱいに水が溜まり、溢れる寸前で水流が止まった。安堵したものの便器内の水位は床とスレスレのままだ。

必死にブラシで便器内をかき混ぜたが若干水位が下がっただけ。もう諦めて使用禁止にしようと思ったとき、ゴボッ・・・ゴボボッ・・・一気に便器内の水が流れていった。詰まってたうんこが崩れた?溶けた?

一安心してバックヤードに帰る。

もうこうなったら誰のうんこなのかが気になってしょうがない。


朝の会計時にひとりひとり顔のチェックをする。


学生の娘からおばあちゃんまでいたが、あの中に犯人が必ずいる。


あの赤ちゃんの腕のようなうんこをした人がいる。


あのズッシリとした直径6センチもあろうかといううんこをした主がいる。


確実に肛門をその大きさまで広げた女性がいる・・・

妄想上では学生の娘が犯人だと決め付けましたが、実際のところは
分かるはずもなく、僕はただただおばあちゃんじゃない事を祈るだけでした。

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